(43)1978年1月30日 五郎

厳しい寒さが続いているようだが、元気か。零下27度とはどんな寒さか想像できないな。ニューヨークが零下6度、モスクワが零下17度。ゲールズバーグは世界一寒い都市だね。そんなところでわが子が暮らしているのかと思うと、恐ろしくなるよ。大丈夫か。 先日川喜田先生にお会いした。その時、淳一郎からの手紙を見せたところ「何という健康的な手紙だろう。是非、会報に掲載したい」と。例のKJ法の会報だと思う。実際に掲載されたら、会の方から直接送られると思うよ。 川喜田先生からは大変褒められたが今回の手紙は少し気になるなあ。寒さのためか自分から言っているように少々憂鬱状態だね。日本の教育制度の欠点(勉強の出来不出来で人を評価してしまう)は、淳一郎の言うとおりだ。それで、アメリカの大学を選んだわけだから、慣れるまでは苦労が多いと思う。右を見ても左を見ても、今まで知らなかった者たちばかりだからね。しかも、他国。言葉の障害だけでなく、生活習慣、物の見方考え方の違う人ばかりの中で暮らしているのだから。暖かくなれば、スポーツが出来るようになる。「冬来たりなば春遠からじ」というではないか。 その点、フラタニテイーに入会したことは極めて賢明な判断だ。聞いただけでも面白そうだし、必ずいい結果が得られると思う。そのような共同生活を通して日本を理解してもらうこと、と同時にアメリカ及びアメリカ人を理解することだ。日本の文化の発表の機会もあるといいな。そのときには、相談に乗るよ。 録音テープの編集を褒められて、いささか恐縮している。もう少し、構想をたてて編集すると楽しい音の便りが出来るのだが、今回は遠慮した。出発前に加藤さんから「紅白歌合戦や、日本を思い出すような録音したものは送らないほうがいい」と注意されたことがあったのでね。しかし、手紙もいいが、声の便りもいいな。そして、電話もね。こちらから電話をするのは当分我慢することにするよ。 地震のことは大変心配かけたが、何も異常なし。しかし、伊豆地方は大変だった。地滑りで大きな被害が出ている。家は、地盤がいいからね。箱根で富士山をバックに撮った写真を同封する。二人とも元気な様子が分かると思う。友達に日本の富士山を自慢することだな。 では、元気をだして頑張るように。

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