(52)1978年3月21日 「やはり日本人は。。。」 淳一郎
お元気ですか。シカゴ大学の渡辺さんのところに居候になって3日目です。明日は、ルームメイトの家を訪問します。渡辺さんの英語のうまさに感心します。今晩は、藤本さんと3人でカレーライスを作って食べました。ここの寮にいると、日本人が大勢いるので、居心地が良いような悪いような気分です。中国人やイタリア人など、休み中に帰るところも行くところもない留学生の住むところです。
まだ何か日本人同士の目が気になります。「やっぱり日本人は。。。」の類の考えが頭から離れません。つまり、外国人に対する劣等感と、反対に自分だけは違うのだというプライド過剰を捨てきれません。将来国際的に幅のある人間になりたいという僕にとっては、これは致命的な欠点です。もっとオープンに気楽にいきたいのですが。しかし、8ヶ月前の僕と比べたら、随分気さくになっていることは事実ですが。今の僕がやらなくてはならないことは、勉強よりもアメリカ人の友達と一緒になって何かをやり、彼らの行動を理解すること、そして、僕のことを理解して貰う努力をすることだと思います。要するに、日本にいて出来ないことをすることでなはいかと思います。そのためにも、川喜田先生が言われたように、毎日をフレッシュに楽しみながらやることが一番でしょう。勉強はしないみたいに聞こえるかも知れませんが、そうではありません。判ってもらえるはずです。
先日の電話で経堂の叔父さんの手術の話を聞いて驚きました。その後如何ですか。お父さんは川喜田先生にお会いしたようですね。先生のファンになったのではないでしょうか。先生の奥さんもまた大変魅力的な方です。奥さんの家系は、松本健さん(*)の奥さんと関係があるのだそうです。又川喜田先生と中学時代の恩師岩田先生も何か関係があるようです。
シカゴでは、先日、黒人の友達の家に白人の友人と一緒に泊まりました。彼の家は大変な日本趣味で僕の家よりも日本的です。お金の掛かった装飾品や家具には驚きました。シカゴの高級店・ホテル・レストランなどを見せてもらいました。
今日はシカゴ大学の図書館にもぐりこんで、朝日新聞を1月分まとめ読みしました。
地震が多いようですね。渡辺さんは、地震があるたびに夢を見るそうです。自分でも怖がっていました。彼によると、今年の5月か10月に東京中心にして日光辺りまで沈んでしまうと、ノストラダムスが予言したとか。こちらでは、そんなこと気にすることなく日に日に春らしくなる毎日を楽しんでいます。
僕の赤ん坊時代か子供の頃の写真を送ってください。テストは、思いのほかうまくいきました。ではまた。
*バンクロフト奨学基金留学生の先輩。
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